新年退院の日、流れた今年の二曲

先程、夕方16時頃、短期入院(いわゆるショートステイとは異なる)から退院し、母が帰ってきた。
病院から退院するのはかなり慣れてきて、今回は家族援助のための10日間の入院ということもあり、これといった感慨はない、と思ったが、実際はなにかやはり不思議だが、病院を退院することにまつわる、独特の感慨があった。
これはうちの家族がかなりこれまで病院の入退院を頻繁に行ってきたことと関係があるかもしれない。

母は要介護の最高のステージにあり、透析患者でもあって、週に三回同じ病院に通っているわけなのだが、少しの期間ではあっても、気持ちが場所に残るのかもしれない。
ただ、昨年秋までは半年以上の入院生活を過ごした場所でもあるし、そのときの思いがよみがえるのかもしれない。

家のなかを、母がいない間に少しは片付けようと思ったが、年末年始仕事が続き、できなかったのは痛かった。ただ、冬場はなかなか身体が動かない。おまけに今年は、天気も不安定で、昼間から暗く、冴えない気分が続く。
こんなとき、ぴったりな音楽を聴いた。
病院へ退院手続きにいくとき、車のなかでラジオを聴いていてかかったのだ。
ひとつは、紅白で見てなかったが「素晴らしいライブだった」と番組で紹介されていた、エレファントかしましの「今宵の月のように」。
もうひとつは、かなり前から知る人ぞ知る名曲の誉れ高いナンバー、キリンジの「エイリアンズ」。

この二曲が、新年から慌ただしく立ち上がる町の喧騒のなかを、ただよい流れていった。