2009見渡す限り錦秋 日本の秋〜日本は「知的資産立国」しよう〜

今年はここ数日で山が色づき美しい。しかも晴天!暖かい、最高の紅葉日和だった。
いつもなら、紅葉狩りなど、到底行くことはなかった。
知人Nさんと会う約束があり、用事をすませ自然に足が山の方へ。
歩いている人たちはほとんどが老夫婦か親子連れ。有名なスポットがあり、そこは長蛇の列が…
我々はその方のおすすめの散歩道を歩く。観光のお決まりコースからははずれているので、誰も歩いていない。歩いてくるとしたら道を間違えた方くらいとのこと。
ちょうど比叡山の麓で今日は暖かかったため、爽やかな風が山から降りてきて、山の気を吸い込むと、酸素を直接体内に入れた気がした。
曼珠院という門跡寺院のすぐ北に関西セミナーハウスという研修施設がある。
この中にロビーがあり比叡山の水で作るコーヒーを出してくれる。400円でベローチェよりは高いが、誰も知らないので静か〜。
もし修学院に紅葉や花見の時期に行かれるならぜひ。
写真は写るんですでしか撮れず、またあらためて掲載します。
曼珠院、金福寺(花の生涯の村山かな女ゆかりの寺)、詩仙堂きれいそうです。大原や実相院よりはすいています。おすすめですが、仕事あればなかなかこれないでしょう。
そう…このような昔の遺産愛でているのは老人か外人、私もたいてい最近来てはじめて、えらい遺産があるものだと驚くが、現実の日本はと言えば、決してうまくいっているわけでないし、大卒就職は氷河期並みになり、失業者は職安に溢れ、民主党はパフォーマンスもあるだろうが、ごりおしの改革に着手してはいるが、未来の展望が本当にあるかというと、ほとんどの国民は?ではないかと思われる。
こんな先行きもひとつ不透明な時代に、なぜかNHKは、司馬遼太郎原作のドラマでワンツーパンチを繰り出してきた。
龍馬伝」と「坂の上の雲
日本がばりばりだった明治維新日露戦争の二つのドラマで不況を追いやろうという作戦だろう。
もちろん司馬作品が素晴らしいのは言うまでもなく、誰もが知ってほしい話、ヒーローである。
しかし、この二作品はくしくも、1960年から70年代つまり「高度経済成長」の時代に連載されていた新聞小説であった。
おそらく当時のサラリーマンは、龍馬や秋山兄弟をわがこととらえ、その明治日本のドラマチックな成長を日本の戦後復興からこのような工業先進国となった躍進と重ねて読んでいたはずだ。
見てみないと、なんとも言えないが、今やGNPは中国に抜かれつつ(抜かれた?)あり小中学生の学力低下も甚だしい国となった、わが国民に教訓を垂れようとしているように思えなくもない。
はたして、効果はあるだろうか?あるかもしれないが、もはや工業生産では日本が急激に挽回できるとは、(理系男子にはがんばってほしいが…)あまり期待できない気がする。
今日お会いした知人の方とも、その話をしていたが、結論としては日本は工業技術は中国や韓国に道を譲り、もっと別な分野で優れた人材を育成すべく、教育分野に予算をもっと注ぐべきだ、ということになった…
ひとついえるのは、やはり(NHKにここで繋がるが…)司馬遼太郎がほぼ全生涯をかけて紹介した明治の日本を創った人間たち、坂本龍馬、秋山兄弟、正岡子規らがいかにしてできたか、彼らが受けた教育や育んだ世界に今にも通じる普遍性はないのか、というところなんか大事だと言う気がする。
それがわかればやはり今の教育、子供の育て方、若者の抜擢の仕方などかなり変えないといけない点がみえてくるのではないか。
司馬遼太郎は、明治を創ったのは、明治以前の日本だと考えていた。その頃の教育はつまりは武士道や儒教である。漢文だ。あの漢字みんな子供の頃からたたきこまれていた。
いまでいう外国語なのだが日本人はこの中国の孔子の時代の漢文をすらすらとほんの300年前は読み書きしたうえ、その解釈について四六時中師匠と激論を闘わせていたのだ。それが当時の勉強のスタイルだった。
漢文は、昔われわれもいやいや習ったが、実は日本語より論理的でどちらかというと西洋の言語に似ている。
よって福沢諭吉勝海舟オランダ語を結構理解したことも驚くにはあたらない。彼らには漢文の下地があったのだ。
明治日本が生んだ最大の文学者漱石と鴎外も漢文が文章の下地にあり、彼らが西洋文学を自らの作品に消化し得たのも、それがゆえであろう。
…少し極論かもしれないが、知人Nさんの意見だ。
今さら漢文をしようなどとはいわぬが、そうしたシステムを解明し、今の教育に活かせないものか…
しかもだ。
いまや中国や韓国は日本が苦労して消化し、文化として所有するに至ったこの漢文混じりの日本語(司馬さんのエッセイによく登場する西周〔にしあまね〕が西洋語に漢字二字をあてはめて作った翻訳語のことだが)を借用しはじめているという。
つまり日本語を勉強→西洋思想や技術の翻訳した日本語をそのまま中国に輸入→西洋思想技術理解といったルートができはじめてるという…
いや〜この種のしかし優位にたっている関係がなかなか日本人には理解しにくいのかもしれない。
日本人はおそらく追い付くのは得意だが、追い付かれるのは不得意なのかもしれぬ。しかもぬけぬけと「どらえもん」を中国人に自国オリジナルだと主張されてしまう始末。
これではマジで先人の成果を奪われてしまいかねない…なんて狭量なことは言わず、この際日本文化をどんどん海外に輸出し、その付加価値を立国に役立てるべきではないのか!
アニメしかり、明治日本しかり、村上春樹しかりである。
とNさんと話した。
知財より知的遺産立国である。
鳩山さんどうでしょうか〜