入梅〜山崎まさよしのうたは雨によく合う〜驚きのギター動画ビートルズのDEAR PRUDENCE

昨日は、一気に梅雨入りを思わせる雨であった。
前日の夏を思わせる快晴から一転して、道路は水浸しになり、わたしのバイト先のスタンドも、降りしきる雨の地におちる波紋に覆われた。
仕事柄、天気は最優先の話題の王様であり、この仕事をするようになって、関心をまず持つ事項だった。そのあたりは、山や畑で仕事する人の感覚と似ている。
自然、外を見ると空を見て天気を予想する。
そして、小学生のとき以来かと思うが、窓の外の景色をぼうっと眺めている。
この雨の日の、雨脚というか、水溜りに小さな波紋を広げては、やむことない、絶え間ない模様のリフレインを見ていると、どうしても気分が湿ってくる。
それが特にいやな湿り方でなく、記憶の中のそのようなシーンと重なる。数限りない雨の日に、そうして水溜りに雨脚が広げる波紋を見ていたわけではないが、記憶にはインプットされているのだろうか。
そして、やはり、思い出はなんとなく思い出したくなくしまいこんでいた、どちらかといえば忌まわしい思いに浸らざるを得なくなったりしないであろうか。

ひさびさになぜか頭に浮かんでくるメロディがあった。それは、思い出したくない種類の歌であり、長い間封印していた歌だったが(誰にもそういう歌があるはずだ、、わたしには意外とたくさんあるが、、)こうして出てくると、もうなんらかの峠は越えていて、すんなり受け入れられ、いい歌だなと思い、歌詞もすっかり忘れてしまっていたが、やみかけた雨のリズム、その雨脚の波紋の間も長くなり、小さくなって「ぽたっ ぽたっ」という間合いになってきたとき、その歌声は大きく私の頭の中で、なっていった。

家に帰って、今日YouTubeで探したら、なんとまさにその曲の動画があるではないか!

山崎まさよしは、無名時代、下関の造船ドックで働いていたらしく、当時はあのつま先が固くなった作業用の安全靴を毎日履いていたと、ある番組で笑い話にしていた。
いまわたしがバイト先でのスタンドや森林ボランティアで履いている靴は、プロの履くものに比べたら子供だましだろうが
、プラスチックの保護芯の入った安全靴である。コーナンで買った。
そのような靴はどうでもいいが、この下関というところが気になる。
この人の出生を知らないが、おそらく、この人のうたの独特の節回しを聞いていると、彼も、あの村下孝蔵を生み、またポルノグラフィティも生んだ、瀬戸内の風を感じる。
この風は、平家物語の合戦のときも瀬戸内に吹き渡り、あの龍馬の海援隊が長崎と神戸を行き来してた幕末の海にも吹き渡っていたであろう。
わたしの思い過ごしかもしれないが、どうも、海とか港には音楽にとり、その成立のため貴重な成分として必須な自然の光や匂いがあるような気がしてならない。
たしかに、ビートルズアイルランド移民の多いリバプールという小さな漁港で産声をあげたのだ。

 それはともかく、この山崎まさよしのアコギ(日本人でこの人はたぶんアコギのテクでは10番にはいるだろう。1番はアコギ界のイチロー押尾コータローということになるか、、)を聴いていると、あのビートルズホワイトアルバムに入っていた名曲、DEAR PRUDENCEのスリーフィンガーのリフを思い出した。これもググってみると、原曲とともに、結構な数のアコギ自演のカバー動画がわんさと出てきてびっくりした。
 本家本元のビートルズの原曲動画

イントロが始まる前に、かすかに聴こえているのは、ホワイトアルバムで入っている前の曲Backin the USSRのお尻の効果音の飛行機の音である。オリジナルの原曲がその曲とメドレーになっていて、きちっと分割が出来ないのだ(笑)。

 その中で、原曲に比較的忠実に、コピーする方と(中にはHow to のタイトルで、伴奏ギターのコピーの方法を教えてくれるものもあった)全く自分流にカバーして、自己の表現としている人とあり、面白かった。後者は、女性が多い。
中でも、これをグラスゴー流というのかは判らないが、独特のアレンジで弾いている女性(調べるとオーストラリアのプロのシンガーだった、、)がいた。

なお、このビートルズの原曲のほうのYouTubeのコメントに、曲の誕生エピソードが紹介されていた。それによると、ジョンレノンがビートルズのメンバーとインドに滞在中、女優ミア・ファローの家族と一緒になり、ミア・ファローの妹(当時子供だったのだろう)プルーデンスが、ふさぎこんで家のなかから出てこないので、「プルーデンスちゃん、外へ出て遊ぼうよ」と呼びかける歌だったという。Prudenceという英語の意味は、昔調べたが「行儀がいい」みたいなものだった覚えがある(今調べてないが)。名前だったのか!それにしても、変な名前ではないか。このコメントはホントなのだろうか。なんと、このプルーデンスさんは、小学校の先生となり、現在もまだ存命中とのこと。
 この曲を生前ジョンは自分の曲の中では一番すきだったらしい。

 雨の日続きそうですが、アコギの曲を聴いて、乗り切ろう!