イーグルス 「ホテル・カリフォルニア」についての思いで

今日、夕方偶然ラジオをつけたら、イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」が流れてきた。しかもライブで!
番組はFM Cocoloのマーキーミュージック・モードという毎日やっているもので、イーグルスの来日の先行予約案内とジョイントし、イーグルスの特集をしていたのだ。
なんでもDJのマーキー谷口は、1979年9月22日の万博記念公園で生のイーグルスを聴きに行ったらしく、そのときの曲順で、イーグルスのライブCDからライブの音をオンエアしていた。
この方は、たぶん50代だと思うが、当時バイト?で会場で開始前にチラシ配りをしていたらしい。
わたしは当時はまだといおうか、高校一年生であり、コンサートに行くようなモードにまだなってなかったが、イーグルスのレコードはたくさん聴き込んでいた。
忘れもしない思い出がある。
あれは、来日公演から一年後か、わたしの高校にアメリカから留学生が一人編入してきていた。R君といって、忘れたがたしか中西部出身だったと思う。
彼は、結構外人らしくない外人で、人懐こく、わたしと仲のよかった当時の友人がバイリンガルであったため、R君の通訳的な役割をしていたので、自然にわたしともよく話すようになった。
と言っても、わたしは英語をあまり話せず、彼も日本語がうまくないので、片言のやりとりくらいだったが。
あるとき、なぜだったか、イーグルスホテル・カリフォルニアが話題になった。わたしがその曲が好きだと彼に言ったとかなんかだったと思う。
彼は、わたしが言いたいことを察知すると、突然真剣な顔つきで早口で英語でなにか言ったかと思うと、そっぽを向いてどこかに行ってしまった。
ちょうどそのとき、通訳役のわたしの友人も居合わせたので、わたしはR君がなんて言ったのか彼に尋ねると、「あの歌の意味をほんとにわかっているのか?って、あいつは言っているよ」
と言いつつ、なんとなくその友人にもわたしはバカにされているように感じた。高校のテニスコートの横の水のみ場の出来事で、練習後の夕方だった。
われわれは軟式テニス部で、わたしの友人はR君をクラブに誘い入れていたが、R君はテニスはあまりうまくなかった。
しかし、そのちょっと滑稽なレスペクト、つまりイーグルスが君たち日本のミーハーにわかってたまるか、風の(彼がそこまで考えていたかどうかは別にして)反応には好感を持った。
ホテル・カリフォルニア」は、たしかにそんな価値のある曲である。
しかし、いまここで言っておくが、わたしは「ホテル・カリフォルニア」の歌詞を漫画付きで対訳・解説した雑誌の付録(たしか『平凡』か『明星』についていた歌の本:むかしそういう芸能雑誌に歌謡曲の歌詞をのせた付録がよく付いていたんですよ)で見て知っていたのだ!
ただR君が、「ホテル・カリフォルニア」に深く思い入れている程度に、わたしが思い入れていた自信はない。
当時のアメリカのティーン・エィジャーが、イーグルスをどう聴いていて、それをいかに大切にしていたか、いまになり思いだし、そしてあれから30年後、こうしてFMで「ホテル・カリフォルニア」を聴いていると、あの頃となんら変わってないような錯覚に陥る。
R君はどうしているだろうか?彼も、イーグルスの復活ライブについて、なにかで知って思い出しているだろうか。
あのときの夕暮れを。