ハンカチがない〜「真珠のピアス」(1982)

昨日外出するとき、ハンカチがないのに気付き、いろいろな場所を探したがない。
最近めっきりスーツなど着なくなって、それに伴い、普段はタオル地の手拭きを使っている。
そのほうが使いやすいからだ。しかしそれも洗濯したため、まだ使えなかった。
スーツのとき使っていた普通のハンカチがあったはずなのだが。
どこへ行ったのだろうか。
それらのハンカチは薄っぺらいので、いまの外でやる仕事のときには使わなくなってしまった。
まだスーツのポケットに入ったままなのか。

こう考えると、スーツを着なくなって、ある意味、着ていたとき、会社で過ごした時間やなにやかやと、いかにいま自分が切り離されているかを、考えさせられた。
普段意識していたわけではないので、そういう小さなささいなことが、今とちょっと前の昔の違いを際立たせて感じさせる。


先週も聴いたが、日曜昼間にFMで「週刊松尾堂」という番組をやっていて、今日も聴いている。
先週は翻訳家の岸本葉子?さんと作家の西加奈子?さん。翻訳小説の話をされていた。
今日は酒井順子さん、九州大学佐藤剛志さん。
酒井さんは、最近『ユーミンの罪』という本を上梓されたらしく、その本にちなんで、ユーミンの曲を選んで番組でかけていた。

ユーミンの「真珠のピアス」という歌がかかった。
この歌のさびで、英語のフレーズが出てくる。
むかし聴いたときその歌詞がよくわからず、「ロケット・オン」てなにかな?と思っていた。
よく聴くと“lock it on”と歌っているのではないかと感じた。

なおこの歌のストーリーは有名で、40代以上の方なら知っているかと思われるが、別れた男のベッドの下に真珠のピアスをわざと落として帰る話である。
そのピアスのことをlock onしよう、といっているのではないか。
インターネットで調べればすぐ正解がわかるかもしれない。いま故障して繋がらないので、調べられないし、まぁそうやって答えを見ないで、自分で考え続けることができることが、かなり貴重な時代になってしまった。

lock on は、わたしが高校のとき、体育でラグビーをしたときにもあった言葉である。ボールを前に落としてしまうと、「ロックオン」と審判に言われ、そこからスクラムを組むことになる。
しかし、この歌詞の意味は、「(ピアスを)落としたまま固定(lock)しておこう」という意味なんじゃないか。

ちなみに酒井氏によれば、こうした女性のドロドロした嫉妬心さえ、おしゃれにサラリと歌ってみせたユーミンには、ある種の罪があると言っていた。
それが本のタイトルにもなっている。
なぜなら、否定すべき暗い感情に、肯定的な明るい解放感を与えているからだ。
もちろん、それは本当はユーミンの罪というより、バブル時代の罪、とも言える。
ユーミンはその時代の気分を先取りし、楽曲にして歌ったにすぎないともいえるだろう。(しかし以後大きな影響を、若い女性の精神に与えたことは確かだが…。)

ちなみに昨日は、昨年の同窓会の流れで、飲み会がありました。久しぶりに再会した中学の同窓生とまた会って話せました。

☆年賀状をいただいた皆様、ありがとうございました。
年始から仕事、パソコンの故障でなかなかご返事できないまま、もう2月になってしまいました。
この場をお借りして、お詫び申しあげます。