京都工芸繊維大学・美術工芸資料館の「近代日本のグラフィックデザイン〜大正・昭和のポスターを中心に〜」展

さて五山送り火は終わったが、五山の一つ「法」(写真)のふもと松ヶ崎(通称:まっちゃき)にある京都工芸繊維大学を先週火曜日訪れる機会があった。
大阪にいる友人S君(自称:佐野M春ときどき一青Y)が滋賀の親族の法事の帰りに京都に寄るので、一緒に見ないかと誘われた。
なんとキャンパス内に「美術工芸資料館」なる立派な博物館があり、時折テーマを設け、膨大な大学の研究資料兼コレクションを公開しているのだ。
今回は日本の近現代の商業アートであるグラフィックデザイン〜主にビールやお菓子などの広告ポスターを数多く展示していた。
有名な赤玉ポートワインのモノクロポートレートの半ヌード写真ポスター(手に持っているワイングラスのみ赤い)もあった。実物はB2サイズのかなり大きなものだった。
小磯良平東郷青児も産業ポスターを手掛けていた。
小磯はNYKと書かれた商船らしき広告、東郷はなんとカルピスの広告だ。
二つともあきらかに他を抜きん出ていた。
やはり他のポスターと比べるとわかる。
戦時中に作られた戦意高揚目的らしきミニタリーデザインのポスターもあった。陸軍の兵士の上に「3月10日」の文字がある。この日は例年帝国日本陸軍の記念日で式典が行われる日だとM春氏は詳しかった。
さらにのたまわく、「でもじつは東京大空襲のあった日なんだ。夜中0時に空襲があり、明けて翌朝、焼け跡に死んだ人がごろごろ転がっているなかで陸軍は式典を強行したらしいよ」。
この博物館は200円(大学生150円)と安く、同時に「機械捺繊展」も開催されていてそれも見れた。
着物の生地を染めるロール型染め機械やその銅製の型ロールもあった。
これは、工繊大に保存されているいろんな染生地に付随した関連展示らしく、いかにも工繊大らしい、かつて使われた工業技術を紹介した展示物であった。
また、常設しているらしきアールデコの大きなポスターもあり、見ごたえがあった。
この日は平日で見物者も少なく、ゆったり見れて、何より涼しい。
かといって駅や百貨店みたいに寒いほど空調が効いてなく、ちょうどよかった。
グラフィックデザイン展」は9/16まで、「機械捺繊展」は10/1まで。いずれも日祝は休みで10時から17時です。ぜひ涼みがてら行ってみていただきたい。