勉強会またやります 「放射能を知ろう〜原発事故に冷静に向き合うための基礎的な科学知識」

先日開催しました勉強会をまた行います。
今回は、「ブッダ・カフェ」を主催されている扉野良人さんの協力を得まして、日頃「ブッダ・カフェ」を開催されている会場「徳正寺」をお借りして、実施させていただきます。よろしければ、ぜひご参加ください。

バガボンドCAFE @ ブッダ・カフェ

8月23日(火)
13:00〜17:00

場所:

〒600-8051

京都府京都市下京区富小路通り四条下る徳正寺町39

徳正寺

地下鉄烏丸線四条駅から徒歩7分。京阪祇園四条から徒歩
9分。四条富小路交差点(西南角に福寿園が目印。北西角にジュンク堂
書店)を南へ50m、西側(右手)に寺の本門があります。

連絡先:

 izai521☆yahoo.co.jp(☆を@に変換)

 為才まで」

○参加を希望される方は、ご連絡いただけると幸いです。

○なお参加費(飲み物代など)として300円をいただきます。

ブッダ・カフェ」の案内ブログにも、内容が紹介されています。参考にリンクをはらせていただきます。
 ブッダ・カフェ第4回のお知らせ - ぶろぐ・とふん

今回の勉強会の趣旨を、少し長くなりますが、以下に書きます。


福島の原発事故以降、たくさんの情報がマスコミからふんだんに流れてきています。

それらの情報のなかには、かなり放射能関連の理科系用語が出てきています。

しかし、直にそれらの情報を提供されても、素人のわたしたちには、わからない、誰か専門的な知識を持った人から、解説して、わかりやすく教えてほしい、そして、自分がどうすればいいか、どうすべきなのか、指針を示してほしい、という感想がついわいてしまいます。

実際、本当にその情報が自らの死活問題に関する重要な指標となるものである場合、たとえば、福島県内に在住で、今後のその情報いかんによっては、避難、ひいては疎開や転居を真剣に検討せざるを得ない、といった方が、かなりの数に上っているし、現に京都に移住されてきた方もたくさんいらっしゃいます。

そういう方は、特にそういう情報がほしかったことと思います。(ネット上で調べたその種の情報をほかの方々に紹介するようなサイトもありました)

マスコミや政府が提供してくれない以上、自分で探すしかない。

インターネットでかなり今なら、たくさんの情報に触れることができます。


また、原発事故以降、各種団体の放射能に関する勉強会がかなり行われています。

こうした勉強会は、そうしたわれわれの不安を解消するというよりも、将来的な不安を取り除くための、かなり政治的な「反原発」「脱原発」など、社会全体に自分たちのグループの方針を訴えるないように収斂されていくもの、が多いようです。

あるいは、多くの場合、かなり専門的知識がないとついていけない話で、大方理系の大学生、つまり基礎知識のかなりある人に対するような話、つまり大学で授業している高度な話を、一般市民に向けてやっているケース、そのどちらかになると思われます。

それらとは、異なったアプローチでこの問題を考えていく道はないか、というのが、わたしたちの考えたことでした。


マスコミのなかでも、われわれの不安を解消してほしいというニーズに答えようとした、プログラムがたくさん散見されてはいました。

そこでは、専門家から、今回の原発事故後の一般的な対策、放射能が原因の健康被害にあわないための秘策のようなものを提示する情報、また今後の成り行きについて、予測するような番組もかなりあったように思います。

しかしその中にも、本当に迷っている方ぎりぎりの決断を迫られている方に対し、「こうすればいい」的な、強いメッセージ性のある情報は、なかなか発信されていませんでした。

セシウム牛」問題にしても、「危うきに近寄らず」じゃないですが、牛肉を食べないようにするとか、そういった自衛的な対策を採られている方も多そうですが、事件後、「牛はまったく問題ない」みたいなことを、マスコミが語ったりした記事はありません。

K新聞記事で大学教授が、あの程度の量ならまったく問題はない、みたいなコメントをしていましたが、政府やマスコミは、不安を解消するための決定的なコメントを、コト「放射能」のことになると、言いたがっていない。

おそらく、本当に確実な安全性というのが、この分野に関しては、被害状況のデーターも歴史的になく、担保できないというのが、大方の識者やマスコミの本音のように思われます。

この放射能の影響というのは、短期間でなく、長期間で現れるらしい、なので、そのときになって見ないとほんとうにはわからないようだ、みたいなことは、一般的に論じられ、ほとんどの方々の常識になっているようです。

だから、そういう事実認識を再度確認したような、あまり参考になりそうにない確実な情報だけが山ほどある。

確証は、何十年後かの「発症」ではじめて得られるのであって、「発症」のないこと=「安心」ではない、さらにもう何年かすると「発症」するかもしれない。こういった放射能被害の延々と続く「継続性、複雑性」が、こうした判断の困難さ、ある種明確な指針のだしにくさを物語っている気がします。

われわれは、そのような事態に直面しています。


本屋さんには、ビジネスや株やほかさまざまな問題に対し、こうすればいいああすればいい、のノウハウ本ばかり今まで積まれていた気がします。

しかし、この問題に関していえば、誰も確証を持って、こうしなさいああしなさいと、言ってくれる人がいなくなってしまった。

また、「政府が隠し事をしている」「なぜ本当のことを言わないんだ」的な視点があるのも事実です。

そうした本や週刊誌はたくさんでています。

しかし、どちらかというと今まで原発をなぜ推進してきたかの、各種権益の入り組んだドロドロした闇の実態を暴露するような内容であって、今後の放射能による被害状況について、わたしたちにとって真に必要な情報を「隠して」いるといった、ことは(もしかすると少しあるのかもしれませんが)現実問題としてあまりないように思われます。(ただ「積極的に」発信していないことが、混乱を招く結果になっていますが、、)

とりあえず、今わたしたちは、もっとも求めている情報をなかなか得られていない、という感覚が常にあるように思われます。

こうした場合、われわれはいかにすべきなのでしょうか。

実際そんな状況が、風評被害をまねいてもいます。

先日、京都の大文字の送り火で、被災した岩手の陸前高田市の名勝「高田松原」の松を、被災者の慰霊のために燃やそう、という発案があり、着々と準備されていたようですが、「放射能汚染の影響があるかもしれない」と懸念され、中止になった事件がありました。

その「中止の判断」そのものに対する苦情も殺到したようです。

その数は、当初放射能の影響を懸念して、送り火で燃やすことに反対した人たちより、はるかに多かったですが、少ない意見とはいえ、決して無視できない状況に「大文字保存会」は追い込まれたようです。

これは、「放射能問題」に対する、われわれのいわゆる「判断力」が、いかに「ファシズム」的になってしまうのか、の非常に典型的なケースに思われます。

(その後、もう一度京都市のほうから陸前高田市に申し出て、被災松を取り寄せ、大文字だけでなく、ほかの送り火を燃やす残りの「五山」でも、燃やすことになりましたが、その取り寄せた薪に放射能の反応があり、この試みは断念されました。それに対する非難をまたあびる結果となりました)

この勉強会で、その「風評被害」の「おかしさ」を取り上げ、もっと冷静な判断をすべきだ、ということを話したいわけでは、すくなくともわたしはありません。

逆に、そういう社会現象が起こっているところに、この「放射能問題」の本質があり、みすごせないファクターとして、話すことも必要だと思われます。

「真実はこうなのだ」と、誰もが誰かに言ってほしい、と思っている限り、逆にこういった大衆的な混乱を導く、のかもしれないと思います。

セシウム牛の安全性を新聞で述べておられた大学教授が、「放射能リテラシーを高める必要がある」ということを同時におっしゃっていました。

勉強会の主たる目的はその「放射能リテラシー」をどうすれば高められるか、にあるといえます。

そして、その手段として、学校で習った理科の知識を再確認し、そこから、今の情報から、自分なりに判断し、行動する力=リテラシーを得る方法を考えられるかもしれない、そう思っています。

決してそれは受験勉強のような、計算問題を解くといったような勉強でなく、科学の知識がいかにわたしたちの日常生活に深い関連を持つかを確認しながら、すすめていきたいと思っています。