NHK SONGS「杏里」 たぶんこの人もVocalistだった。

杏里をひさしぶりにテレビで見た。
たしかに彼女は「忘れられた」シンガーであった(…と思うんですが、杏里ファンの方すみません)。
この前の日曜もEXILEの歌番組に、久保田利伸が出てきて懐かしく感じた。
杏里はアメリカのLAに住んで音楽活動をしているらしい。久保田利伸も、アメリカに住んで活動を続けているらしいが、あの野球の大リーグでさえも華々しく活躍しない限り、いっこうに情報が入ってこないお国柄であるゆえ、一部の熱心なファン(EXILEのアツシは久保田の大ファンで深くレスペクトしていると番組で言っていた)を除き、二人とも海外にいる限り、「忘れられて」いるのだ。
たぶん、いったん海外に出ちゃうと、グラミー賞をとるかキャッシュ・ボックスかビルボードのヒットチャート上位に載らなければ、日本人は見向きもしないのではないか。
いつからこうなったのかはわからないが、かなり洋楽が昔より注目されなくなった昨今、海外に行ったアーチストをフォローする気力?が、なかなかないように思われる。
さてこの日のSONGSでの杏里自身による話によると、かなり前からLAにいて、「音楽修行」のようなことをしていたらしい。
たぶんクラシックの歌手がオペラの本場オーストリアに留学するように、彼女はLAに長くいて、音楽に対するストイックな姿勢がかなり感じられた。
彼女の歌の、すくなくともよく耳にするヒット曲は、すべてあの名曲「オリビアを聴きながら」(尾崎亜美の曲)と同様、彼女のオリジナル曲ではない。
ニューミュージックは、シンガーソングライター、つまりユーミンをその始祖とする、自作曲を歌うシンガーのムーブメントだった。たぶん本家アメリカのキャロル・キングあたりが、モデルになっているだろう。
しかし杏里本人自身の思惑は知らないが、彼女の歌のよさはたぶん、この番組を見て痛感したが、他人の作った歌を自分の(スタッフの)アレンジで歌うVocalistとしての力量発揮にあると、思った。
以前書いたカーペンターズ徳永英明(最近)とよく似たタイプのシンガーだと思う。
自作曲を歌わなければならない、みたいな束縛から早く抜け出て、徳永のように、いい意味で開き直って、あの長い足をのばし、艶やかかつ健康的に、ユーミン大貫妙子山下達郎の歌をぜひ歌ってほしいものだ。
徳永みたいに、大ヒットするかもしれない。