45歳の「オールドミス」を演じる小泉今日子〜フジテレビ『最後から二番目の恋』とあやふやな「性格」論

先週木曜日から始まったドラマに小泉今日子が表題のように「オールドミス」として、出ている。
「オールドミス」なんて今は言わないか…キャリアウーマン?テレビ局のプロデューサー役で、45歳シングル。
先日NHKの火曜ドラマでは39歳にスポットを当てていたが、今度はそれさえも越えた「お年頃」の微妙な感覚をコミカルに描いている。
中井貴一も共演していて久々に見た。
中井貴一小泉今日子は、わたしが大学の頃80年代中頃が、乗りに乗ったスターだった。
いま若い子のなかには、小泉今日子がアイドルだったことは知らない人もいるかもしれない。
中井貴一といえば、あの頃『不揃いの林檎たち』にでていた。山田太一脚本で、時任三郎石原真理子もでていた。大企業と東京の下町が舞台の、学生から社会人になる悩み多き時期を描いた、青春ドラマだった。

時任三郎といえば、昨年話題になったフジテレビのドラマ『それでも、生きてゆく』にでていた。これも久しぶりに見る顔だった。
なんでもこのドラマは、90年代初頭に流行った『東京ラブストーリー』の脚本坂本裕二、永山耕三の演出、小田和正の主題歌と同じ顔ぶれだったという。
これらを見ると、あの頃80年代から90年にかけドラマを見てきた若者が、作成者側に回り、自分達が中年と言われる世代になり、さて東日本大震災原発事故も起こったいま、何を考えたり感じたりしているか、何を大事に思い始めているかを、あの頃のスタッフや俳優を使い、描いてみはじめたのではないかという気がする。
というのは穿ちすぎた見方だろうか?
わたしは、あの頃テレビドラマを熱心に見るタイプではけっしてなかったが…。

さてこの小泉ドラマだが、下町とトレンディさのミックスモデル(『ひとつ屋根のした』?)が、鎌倉というスノッブ(失礼…)な土地と古民家のリニューアルとテレビ局のプロデューサーという組み合わせで再現されているようで、久しぶりについ気づくと見つづけてしまう魅力がある。
これがいわゆるフジテレビっぽさなのかもしれない…。
もちろん『北の国から』も含め。
あんな美人のプロデューサーがいるわけない…と突っ込みながらも見てしまう。

しかし思うことは、いまの40代の特徴をいかにも思い知らされる。
一言で言って、どうも素直でない。
どう考えても、わたしたちより、30代やいまの20代の人の方が素直というべきで、性格がいい。
これは歳を取ったからということより、世代の問題であるように思う。
比較が難しい(あってない)かもしれないが、石原真理子沢尻エリカ吉高由里子のどちらが素直でない(なかった)か?
(この比較に秋吉久美子をいれたらどうなるか?さらに加賀まりこをいれたら?)
鈴木保奈美深田恭子北川景子は?
(さらにここに浅野温子、ゆう子のW浅野をいれたらどうか?)
おニャンコクラブの国生さゆりとAKBの前田敦子はどちらが性格がいい(よかった)だろうか。
どうも若いときから、いまの40代は全体的に「性格が悪い」ように思えるのである。
そして、いまの50代がわれわれ40代より「性格が悪い」かというと、よくわからないが、たぶんそうじゃないかと。
いや、性格は悪い人もいるしいい人もいる。当たり前だ。言い方を変えよう。

あまりすぐに「いい人」に見られるのを拒むというか…。
これは先日大学の頃の友人と会って確認したばかりなのだが、わたしたちはいまの若い人たちよりなぜだか、「性格が悪かった」気がするのである。
いや、「そう見られてもあまり気にしなかった」と、いうべきかもしれない。
つまり、「本当に」性格がいいかどうかは別にして、ということだ。
世代を代表する芸能人やドラマの主人公にそれが現れているような気がしたのだ。
ただこれはなにもこれといった根拠のない、わたしの感覚のみのざれ言で読み流していただきたいが、昔、司馬遼太郎が「大正生まれは性格が悪い」とある対談で言っていたこともあわせ、感じたことである。