雨上がり 『Book5 no11 特集 私たちは今日も、片岡義男を読む』 スピッツ「迷子の兵隊」

ここ数日間猛烈に暑かったのだが、やっと雨ですこしだけ涼しくなった。
この2日ほど、知り合いの植木屋さんの手伝いに行ったため、汗だくで仕事をしたため、よけい暑く感じていた。「恵みの雨」だった(が、場所によっては、また集中豪雨で被害のでそうなところもあるとのこと。喜んでられるのは僥幸といえるかもしれないが)。

作業のときは、水はガブガブ飲んだ。あれだけ飲んだのは、高校の時のクラブ活動の時以来かもしれない。
あの頃、校庭にあった水道の蛇口を逆さ向けにして、そこから直接飲んでいた。
喉が本当に乾くと、意外と味のないぬるい水が一番美味しい、と思い出した。

もちろん帰ってから飲むビールも美味しいのだが。

しばらくぶりのまとまった雨だった。

わたしは朝から知人に呼び出され、その場所に着くか着かないかのころから降り始め、店から出ると、止んでいた。
ちょうど自転車で待ち合わせの喫茶店に近づいて、降り始めた雨が、いったん止まるときがあった。
その一瞬、久しぶりに雨がアスファルトに降り始めるときの鼻をつく埃っぽい匂いをかいだ。
連日太陽にいぶられていた道路だから、その匂いはいつになく強かった気がする。
よく学校の運動場でも、雨の降り始めには水なのか埃なのかよくわからない匂いを嗅いだ。思い起こしたのである。

雨は結構そのあとキツく降りました。

帰るときはもう止んでいて、持ってきた雨ガッパは使わなかった。
雨は畑や庭木には待望のものだったろう。

そして、わたしには、この間触れた「うれい」を思い出させる「水分」ももたらせてくれた。
心の水分〜昨今の一連の出来事〜ウクライナの飛行機撃墜、中東情勢、またアルジェリアでの墜落事故等々、なんだか訳のわからない事件事故をニュースでみて、衝撃で心が乾ききっていたような。
また、実は以前同じ会社で仕事していた方の突然の訃報もあった。金曜に、前の会社の当時の人たちと、その方を偲ぶ会をしたばかりだった。

雨上がり、自転車にて、久しぶりに有名なK文社一乗寺店に寄り、タイトルの雑誌を買った。
リアルな本屋さんで本を買うとは、買いたい本がいくつかあるなかで、そのうちのどれかを選ぶ作業であること、それは本だけに限らず、リアルな買い物につきまとうややこしいが必要な決断であること、を大層だが、意識してしまう。
なぜなら、わたしはよく迷う性分だからだ。
そういえば、店内に、古書を少ないがおいていたが、そこに出店?していた古書店の名前は「迷子」であった。
「迷子」懐かしいことばだ。
いまは「迷子」=「事件」というご時世だから、このことばは「死語」なのかもしれない。

「うれい」も「半死語」と言えるかもしれない。それくらい、時代は乾ききっているのかもしれない。
「迷子」という古書店左京区にあるらしい。
それは、K文社の店長のS氏が書かれたらしき京都の「リアル書店」を語った本が店内にあり、そのなかに紹介されていた。
不思議に頭にスピッツの「迷子の兵隊」という歌を思い出す。


片岡義男特集を買うまでは、「迷子」の棚にあった、思潮社の『詩と批評C』(田村隆一著、吉岡実装丁、開高健解説)を買うか、迷った。函入りのしっかりした本、もちろん絶版本だ。
あと巻頭に内田樹とご本人の対談が掲載された『文藝別冊 大瀧詠一』も欲しかった(わたしはナイヤガラーではまったくないのであったが)。

この二冊は今度行ったときもおそらくあるだろう?が、片岡義男を特集した、ミニコミ試っぽい『Book5』は、あるかどうかわからない。
そうその場で考えたわけではないのだが。

しかし、あれですね、メジャーデビュー当時のスピッツには、「うれい」というものがありましたね。
思い出しながら「迷子の兵隊」はいい曲だと思いました。
しかしミスチルにはもうなぜか「うれい」はない、というのが両者の、大きな違いかもしれない。

[LIVE] 迷子の兵隊 (Maigo no Heitai) Spitz - YouTube