駅のバリアーフリー事情〜車椅子の少女?京阪に乗る

別につけていたわけではないのだが、、、
何となく目を引く少女だった。ちょうど私も(といって、そのとき彼女も京阪電車に乗るとは思わなかったが、方向と急いだ様子からもしかして、とは感じたくらいであった)四条通りを東に歩いていると、ちょうどサイデリアがある寺町のアーケードの辺りからさ〜っという感じで、颯爽と車椅子に乗った娘とジーンズ姿の同い年くらいの若い娘がならんで足早に歩道に出て、東に向かって先を歩き始めた。
車椅子を走らせながら、その娘は器用に左手で歩道の端にあるアーケードの支柱を
ぐいん
と勢い付けのために利用したりとかなりなスピードで前に進んでいた。
横の女の子は小走りにならないとついて行けないくらいだった。
私は急ぎ足であったものの、二人の後ろ姿をちょうど高島屋と阪急がある河原町の交差点の信号に引っ掛かり、見失ってしまった。
ついていた女の子は仕事の同僚ぽくみえた。おそらく、私と同じく最終に間に合おうと急いでいたのだろう。
車椅子の動かし方はテレビで時たま見るパラリンピックでのスポーツ選手みたいに無駄がなく、タイヤがぎゅんぎゅんいっていて、非常に活力を感じた。
しかし、少し心配だったのは、京阪の四条駅は、地下にあるためどうやってホームまで降りるのかということだ。
京阪にエレベータないんちゃうかな?障害に悩まなくていい人間とは、その程度の知識もない。
四条大橋でも車椅子の姿はなく、私は橋を渡り、京阪電車の階段を降りた。いつもそのあたりで路上でアクセサリーを売ったりしている。そんな風景を尻目に。
果たして切符売りの自販機があるところでその娘が、何の苦もなくひとりで切符を買うところを目撃した。
ということはあの機械の高さは車イスも想定したものだったのか…少しだけ背伸びしていた感じだったが、十分届いていた。
感心するのもつかの間またもやすごい滑りで改札の方へ進んでいく〜。
どうやってホームまで降りるのか?
関心はあったが手伝うというにはなんだか変に安心したムードがあった。
するとその娘は改札の端にある駅員のいる窓口にまっしぐらに進み、声を掛けていた。
駅員さんはすぐ出てきた。私はそれを見届けたものの、阪急にはあるが、障害者用のスローブがない京阪のホーム階段をどうやって降りるのか、不安に思いつつ、ホームを見渡し、あちこち今までになく、観察しながら一番北のエリアまで歩いてみた。
淀行きの最終が到着するとアナウンスがあった。ホームは金曜の夜ではあったがそうは人が多くない。しかし端から端まで見渡すには人が邪魔であった。
間に合うのだろうか?
まさに電車が入ってくる瞬間、ビューっと車イスがホームのその北側の奥の見えないエリアから、駅員に伴われ出てきた。
どうやらエレベータがそこにはあるらしい。
その娘は活発そうな感じで髪を茶髪に染め、伸ばしていた。
よくあんなに素早く動けるものだ。あんな人混みの木屋町や、駅を苦もなくという感じで。
しかし健常な我々の、バリアフリーに対する無知とだらだらした歩き方は、どうだろうか?
簡単に階段を上がれたり、改札を通れたりするにも関わらず、ギリギリにホームに駆け込み、電車のドアに挟まれかけたりし、ほんま恥ずかしい。
まだまだバリアのたくさんある町中で、車イスの方の苦労が並大抵でないことを考えさせられる夜だった。
id:sakurabotさんは、ブログに手話の講座の話を載せられている。→http://d.hatena.ne.jp/sakurabot/mobile?date=20090708
その中の深い話、耳の聞こえない方が、家にいるとき、パトライトが視界に入ると、それが消防車かパトカーかを確かめるため外に出る話がある。
今日は似た感概を味わった。
いちいち外に出て、
消防車じゃなくてよかった!
と思うことは、我々にも必要なことじゃないだろうか。
それが、障害を持った方を理解する手がかりになる気がする。
にしても、金曜というのに、今日はえらく人が少なく、祇園辺りもがらがら、河原町通りはいつものごとくヤンキーっぽい若者がポツポツいるだけで、活気のないこと。
このままでは早晩京都の夜の店は干上がってしまうだろう…。
みんな早々に家に帰っているのか?
それともなにか花火大会かが琵琶湖であったのか?
来週は祇園祭だが〜、その嵐の前の静けさだろうか。