手術無事終わる〜再度ホテル・カリフォルニアについて

台風でまた被害がでた。本当に自然の怖さを思い知らされる。

手術、いちおう無事終わりました。冷や冷やさせられたが、いままでもいくつか、このような、どちらに転んでもおかしくない状況で、祈るしかないような場面があったが、無事すごせているということが、どれほどありがたいか、常々忘れていることを思い知らされる。

まかり間違えば、事故にあうかもしれない状況というのは、常に日々あって、今日も交通事故らしき現場を昼間通りがかった。

ちょうど、宝ヶ池の歩道橋がある場所。ガソリンスタンドの前あたりだった。

あそこは、跨線橋から下ってくる車と、跨線橋の下をくぐる道が合流し、信号があるが、青のときは車がスピードを出したまま下りてくる場所だ。どういう状況かわからないが、危険なエリアである。

しかし、あそこは横断歩道の信号がついてから、ほとんどの歩行者が歩道橋にはあがらず、信号を渡るようになっていることに気付く、歩道橋は、安全なのでなるべく使ったほうがいいように思う。

昨日、イーグルスホテル・カリフォルニアについてすこし書いた。その追加で、記事の誤りも含め、すこし書きたい。

まず訂正があります。

イーグルスのホール・イン・ザ・ワールド(”Hole in the World")ができた由来について、間違ったことを書いていた。以前、このブログでも書いたことがあるので、その箇所をもう一度引用します。
 

イーグルスは、実は、1980年のライブアルバム発表以来、公式発表を行わないまま、実質解散していたが、その後メンバーはソロ活動を活発に続けていた。1993年に、カントリーのミュージシャンが集まり、イーグルスのトリビュートアルバム『コモン・スレッド:ソングス・オブ・イーグルス』を作成、大ヒットしたらしく、そのころからイーグルスの再評価が高まった。この年5月27日より、再結成しワールドツアーを行うきっかけとなった。

このツアーのライブは、新作のいくつかの曲を加え、アルバム『ヘル・フリーゼズ・オーバー』に収められた。

このツアーの後も、ミレニアムコンサートを1999年12月31日に行うなどし、バンドとして再始動する機運が高まったころ、もう一度オリジナルアルバムを発表しようと制作に入ったらしい。

結局、その直後、2001年彼らは、DVDシングルとして『Hole in the World』という曲を、唐突に発表した。唐突といおうか、必然といおうか、このときの事情は、その2年後2003年に2枚組で発表したベストアルバムにつける解説として、ドン・ヘンリーグレン・フライが彼らの歴史を1曲づつ振り返る興味深い対談をしていて、語られていた。

あの、9.11のとき、まさにイーグルスは、スタジオに入りレコーディング準備をしていたが、事態のあまりにも深刻な状況に、中止せざるを得なかったというのだ。

しかし、たった1曲だけ、ドン・ヘンリーは曲を作った。それを、イーグルスのメンバーでDVDレコーディングしたのが、Hole in the World だったという。

(以上引用ではないですが、『EAGLES THE COMPLETE GREATEST HITS』(ワーナーパイオニア)のライナーノートに書いてあったことをほぼそのまま書いています。)


あと少し、ホテル・カリフォルニアの歌詞の中で、主人公が探していた「出口」について。

あの独立200年祭を祝っていた記念すべき1976年のアメリカが、ベトナム戦争の敗戦の結果、アイデンテティの危機に陥り、「出口」を探して迷路をさまよい始めたのはたしかだと思われる。

あの歌と、1976年に発表されて、大ヒットした「ホテル・カリフォルニア」というイーグルスのバンドとして5作目のアルバムが、それだけ、自国の精神史的な深い部分を、表現していたというのは、サブカルチャーであったロックが、そこまで成熟し、時代の精神をも表現する高みにまで達したことを示していると思う。

わたしは、昨日「われわれは『出口』を探すことを忘れてしまっているのではないか。もといた場所がどんなところかも見失っているのだ」ということを書いた。

それからもう35年以上もの月日が流れ、今現在、アメリカだけでなく、世界的な問題になっていると思うところの、パラレル・ワールド的状況を、よくよく考えてみる。

それは、村上春樹が『1Q84』で冒頭で描いていたところのものでもあるが、主人公「青豆」が、高速道路から大渋滞に巻き込まれたタクシーを降りて、非常用の階段を下りるのだが、1984年の現実とは違うパラレルワールドの「1Q84」年に降りてしまうような状況。

つまり、われわれは「出口」を間違えたのではないか。この状況から逃げたし、「もといた場所」に戻りたいあまりに「違う」出口に出てしまったのだ・・・。

ホテル・カリフォルニア」という楽曲には、そんな物語めいた謎が豊富にこめられていることを、いまさらながら、痛感する。