100円ショップの閉店を憂れいつつ、「幻状」を自覚する

最寄りの100円ショップが先月末で閉店してしまった。
最寄りといっても車で約15分くらいの場所にあった。だが、一番近く、かなり利用していたと思う。
テレビで100均のグッズを使い、キッチンや部屋をリフォームするような番組があり、それを見て同じような品を買いに走ったこともあった(普通はしないでしょうかね、あまり。わたしはすぐやってみたくなる方です)。
また家族が入院したりすると、病院から手渡される入院グッズを一覧にした案内を片手に、飛び込んだことも多かった。
母親が昨年末骨折し、入院後、自宅介護、介護施設入所等を経験し、その都度なにかが微妙に必要になり、買い足しを余儀なくされ、お世話になるのであった。
たとえばタオルはかなり買った。昔は家にあふれていた気がする、あの店の名前が入った白い販促用のタオルを見かけなくなって久しい。
そんな折りから、100円でタオルが買えるのは、ありがたいことであった。
たしかに100円だし仕方ないか、みたいなタオルもあれば、え!これが100円?と驚くような良質のものに当たることもあり、100均オソルベシの感に打たれた夜もあった。
少し前に見た100円ショップの裏側的なテレビの番組を見ると、やはり商品によっては、仕入れが100円以上かかるものもあったようだ。
だが平均して100円になるような品揃えがされており、そのためには品数がかなりないといけない。となると店舗の広さは確保しないといけない。
その店もやたら広かった。
やはり、どう考えても100円じゃ割りにあわんだろう、といった品を100円で買いまくるのも心苦しいところは内心ある。しかし、なくなってしまうと、困って寂しいものだ。
だが付近のお店はホッとしているのかもしれない。
と言ってもそのショップがあった商店街は、はっきり言ってシャッター商店街と言ってもいいような状態なのだが。
わたしは100円ショップはおそらくなくなっていくのではないか、ネットでは生き残るかもしれないが、リアルな店舗を維持するのは、もう難しいのではないかと思いはじめている。
そしてわたしたちも、かつて正規で買っていたときのものの価値を思い出すのが必要ではないかと思う。
そして、いまの値段感覚を、それに近いレベルに引き戻し、雇用をできるだけ安定させた方がいいと思う。
派遣法が先日改正され、3年で雇い代えが横行しそうな気配である。大半の企業は正規雇用する気がないのだろう。
それもやはりデフレが実質はちっとも解消されてないからだろう。
反面、新しい電化製品は目が飛び出るほど高い。アンバランスである。
当面は、100円均一の現状にかなり支配され苦しむかもしれない。
しかし、それは何らかのからくりがあって、どこかにおそらく致命的な皺寄せをもたらしているかもしれないのだ。
まさに「幻状」であり、過ぎれば夢のごとくの時代であるのかもしれない。

○ずいぶん久方ぶりの更新になってしまいました。ご心配?をお掛けしました。