BOOK・OFF 20%OFF(5/6まで)セカンドハンド本の盛衰

久し振りにBOOK・OFFに行ったら20%割引セールをやっていた。連休の客寄せらしく、5/6まで、本だけらしい。
あまり買いすぎないよう注意して買う。BOOK・OFFで買って、読んでない本がまだたくさんあるから。

BOOK・OFFの特に文庫の棚を見ていると、特定の本は108円均一の棚に見当たらず、めったに値崩れしてないものがあることに気付く。
最新刊の文庫や本が値崩れしてないのは当然だが、古くからある特定の作家の本で、いくら探してもない場合は、絶対量が少ないまったくの希少本(つまりあまり市場に出回ってない)か、みんなが探して買ってる(市場価値が上がっている)らしきことが、なんとなくわかる。

このような古書市場の人気は不動のものもあれば、あだ花的な移り変わりに左右されたりもするだろう。

たとえば、30年くらい前ならわんさと新刊本屋で並んでいた、片岡義男の赤表紙の角川文庫は探してもめったに見つからない。
たぶんマニアの間で高価で取引されていることが予想される。
もしかしたら、繁華街の古書店にはなにげなく100円で置かれていたりするのだろうが。
これはすでに何年か前からはじまっていたらしく、不動の域にあるかもしれない。

なんとなく、これはそう遠くないここ最近、そういう意味で「探されている」ように思われる本がある。

佐藤愛子の本だ。
この方の本も刊行点数がべらぼうに多く、20〜30年前には、たぶん片岡義男に並ぶ勢いで、駅前の普通の本屋さんでたくさん見かけた。
たとえば東海林さだおとか伊集院静だとか、いわゆる週刊誌連載エッセイをまとめました系のジャンルのひとつだった。
だが昨日いった近所のBOOK・OFFには、値崩れしてない棚に、かなり新刊に近いピカビカの文庫がそこそこの値段で置かれていて、昔の古い文庫は探しても見あたらなかった。
おそらく絶版になっていて、みんな探しだしたのではないか。

たぶん近年だったかベストセラーになり、少し市場が動いたような気もする。だが、その新しく出たばかりの文庫本を見ると、ベストセラーに乗じた出版社が前のめりぎみに出した、ような感じではなく、おそらくずっと昔みたいなペースではないものの、途切れることなく書き続け、地味に文庫で出版されていたのだろう。
だが、ひょっとすると、かなり増刷がかかっていたのかもしれない。
わたしがなぜ佐藤愛子に注目したかというと、訳がある。
実は、学生時代買った覚えのある佐藤愛子さんの文庫をうちで探していた。昨今のベストセラーの広告を見て、思い出したのだった。しかし見当たらない。なんとなくBOOK・OFFに売った記憶があり、ないのを承知で探してみたのだった。

佐藤愛子は、むかしもいまとまったく変わらないことを本に書いていた。そのブレなさが、最近人気が出た秘密だと思われる。

こうしてみると、BOOK・OFFの棚は、非常にそういう古本マーケットの現在を反映していて、見方によっては面白い。
ほぼ読んだことのない、また読むことがなさそうな新しい作家の本がほとんどなのだが、なかには、見慣れていた作家の本に高値がついていたりするのは、うれしいものだったりする。
人気というのは不思議なものだ。