チャーハン

一昨日のレシピを紹介しよう。

ご飯が冷蔵庫に残っていたのをチャーハンにしてみた。

具材はニンジンのみじん切りと卵のみのいわばプレーン焼き飯だった。

これは、実は職場でたまたまみたテレビで、ある若手俳優がチャーハンをかなり手際よく作っていて、やってみたくなったのだ。

たしかくりぃむしちゅーチュートリアルが出ている番組で、チュートの福田も、チャーハンをスタジオの特設キッチンで作っていた。バトルみたいな感じでその俳優と技を競う想定。彼も手つきもなかなか様になっていた。

その新人俳優は名前をド忘れしたが、かなり慣れた手つきでフライパンとシャモジを操っていた。

やり方に特徴があり、その俳優は、チャーハンを炒めるとき、しゃもじでフライパンの真ん中に穴をつくり、ごはんをフライパンの周囲に沿ってよせあげ伸ばす方法をとっていた。

また、初心者のチャーハンレシピによく紹介されているやり方なのだが、あらかじめ、溶き卵と温かそうなごはんを混ぜておき、これをフライパンにあけていた。

もしかすると、スタジオの調理器具がIHのコンロだったので、火力が弱く、中華のプロがやるみたいに、かき卵を先にフライパンに撒いて次にごはんを入れかき混ぜるやり方がうまくいかないからかもしれない。

わたしはそれを真似て炒めてみたら、かなりよくごはんがいたまった。

また、彼は最後にそのしゃもじでつくった真ん中の穴に、しょうゆを少し注ぎ入れ、若干焦がしてから混ぜるという隠し技を披露していた。

それも真似してやってみると、なるほど、普通にかき混ぜるより風味が出ていた。

これも火力が強いコンロだと、すぐ蒸発してしまうから、IHコンロや家庭用ガスコンロならではのやり方かもしれない。チュートの福田もそのことを少し言っていた。

ちなみにガスコンロでも、多くの家庭用コンロでは、火力が弱いので、IHという想定でいためものを考えた方がいいかもしれない。

たとえば、たしか中華のプロは仕上げにしょうゆを入れるとき鍋肌の内側から、つまりチャーハンの外縁から注ぎ入れていた。しかし、やってみるとよくわかられると思うが、家のコンロだとなぜかうまくいかなかった。原因は火力が弱いからだろう。

(これはかなり難しいプロの技で、素人はうまくいかないというのもある。)

このやり方でやってみたチャーハンは、なんとなくいままでより美味しく感じた。

家庭用コンロで、あの中華屋さん特有のパラパラチャーハンにするには、フライパンを振りチャーハンを踊らせる、パフォーマンスありありのやり方より、この方法(名付けて「ドーナツメソッド」!)がわりといいかもしれない。

できたチャーハンは、半分ミキサーにかけ、母にも食べさせた。

いつもミキサーにかけるとき、そのままだとミキサーの歯が回らないので、だし汁を足し入れ、お粥状にするのだが、入れすぎると粘りのないスープみたいになって、うちの母だと、すぐむせてしまう。

かといってドロッとしすぎてもだめだし、この水を足す加減がかなり難しいのだ。

今回は案の定だし汁を足しすぎ、水っぽくなってしまった。お茶や味噌汁に入れて、トロミをつけ、むせずに飲み込みやすくするトロミ剤を入れ、なんとかむせずに食べることができたが、たぶん味が変わってしまった。

料理は、ちょっとしたことで、ガラッと結果が変わってしまう。

チャーハンひとつでも、やり方によって、仕上がりが変わってくる。しかし、それは経験と知識が左右するもので、たゆまぬ研鑽が必要なのだ。