2021年のGW

2021年のゴールデン・ウィークがひぶたを切って落とされた。しかし、依然コロナ禍の下の連休で華々しさはない。

しかもひどい雨の一日で開けた。緊急事態宣言にわが府は名乗りをあげているので、よけいである。が、車や人出はかなり少な目ではあるが、あのまるでゴーストタウンだった去年に比べたら、ずいぶん多い。

しかし、たぶん夜はひどく人気がないだろう。なにせ、チェックのため見回りがあるらしい。

社会人になって以来、GWというのは業種的に仕事であった。いまも、休日専門の派遣先にバイトで入ったため、さらに忙しい。盆正月のない夜勤バイトも、時短になりそうだが休みはない。毎年のことだから、慣れ慣れだ。

世間も普通じゃないので、かえって寂しさもまぎれるかといえば、なんとなくそうでもなく、病院に母の見舞に日参していた昔が懐かしい。

昨年はとくに、まだ母の居なくなり間もない頃だった。バイトはしていたが、夜の仕事ははじめての緊急事態がロックダウンに近かったので、休みになり、夜が長かった。母の祭壇の横でひたすらストーブをつけ、近所の庭仕事の請け負いでたくさんいただいた金柑を炊いていた。

今年は、その仕事が時期的に金柑に間に合わず、今週からになりそれができない。聞くと金柑の実がなぜか不作だったとのこと。

母の入院がGWに合わせて、介護のサービスが休みになる部分(全部ではない)があり、毎年この時期家で一人になっていた。病院に難病患者を家族の支援で預かるサービスを受けていた。それで昼間、病院に見舞に行き、夜は家でたいてい過ごす日が多かった。仕事があったので遊びにはいけない。

(見舞いはいまはご法度が続き、ご家族の方非常な苦難かと思われる。この件は、どうしたらいいのか、ついむかしのことを考えれば、なんと可哀想かと思う。)

夜勤が続くと、昼間眠くなり、休みでも夜目が覚めてしまう。

いまも、夜中に目が覚め眠れなくなり、近所の喫茶店のマスターがくれた唐揚げをトースターで温め、食べた。焼酎が瓶にすこし残ってるのを湯割にして飲んだ。

それでいま、アナログレコードをかけて聴いている。カーペンターズのアルバム、ナウアンドゼン。これは去年、中古でBOOK・OFFワゴンで見つけた。

なぜか、GWによく中古レコードを聴いている気がする。母が居たときも、入院中のときが多く、やりたいことができたからだろう。レコードを聴くだけとは寂しい限りだが、もしかすると、それは、一人になったときのトレーニングだったような気もする。

そういえば、雨は夜にやんだが、外にでたら、もうカエルが鳴き始めていた。