夢は第二の生?

よく起きてすぐ見ていた夢を思い出して、その奇想天外なストーリーをたどっていくと、まず、不思議な感覚に襲われる。
それは夢そのものが脳の中でしか起こってないのに、私がそれを経験した事実としてあいまいながらも記憶しており、思い出そうとするしている点。なぜだかそれに意識としてものすごく違和感を感じていた。
まるで記憶喪失に陥った人が自分のたどった人生を思い出そうとしている行為とおなじではないか。
いままで寝ていた頭で考えているときというのは、たとえば、立ち上がりかけるパソコンの画面に、前回ログアウトせずに切ってしまった映像が混線し写るみたいなものか。
いずれはちゃんと立ち上がれば消えてしまうのだ。それは、なんとなく恐怖をともなっている。
もう一つ夢を思い出していると、昔見た夢があたまにかなり残っているのに気付く。そしてその夢ははっきりとは覚えてないが、何回もいわば風景として出てきているのではないか。
この夢の続きを見てみたい、と起きたときいっているマンガがよくあるが、それはすでに実現しているのかもしれない。
となると昔のお坊さんや中国の思想家が言ったように、夢はわれわれのもう一つの生ということがうなずける。そしてそこにもう一人の自分になんとなく怯える自我がいるのである。
ただ夢のなかの自分ははてしなく現実の自分とイコールで冴えないのだが、、。