NHK「英語でしゃべらナイト・リターンズ」・ジャパニーズ・イングリッシュの真価を問う

昨日12/17夜放送していた。
以前「英語やる宣言」をした手前、少しダウン気味な気持ちを奮い立たせてくれる内容と期待。毎週やっていたNHKでは珍しく面白いバラエティだったが、正直あまりにも娯楽に片寄った内容で、見続けたりはしてなかった。
今回は、特番で今日もも22:45〜あるとか。
クイズやお笑い系の八嶋智人の突っ込みをメインに据えていて娯楽に徹している点は同じだったが、今回、多くの国、オーストラリアやイギリス、アメリカなどネイティブな英語圏の人たちだけでなく、インドをはじめ中国や東南アジアでの現地取材や人たち(日本在住の出身者)も出てきて、英語を苦手とする一般的な日本人の視点で、ワールドワイドに「日本人英語は通用するか」を検証するという内容。
はじめてこの番組を真剣に見た。
また番組作りの方針、いかに日本人に英語を話すことに臆さず、挑戦させるか、という目的に絞った工夫に目を見張らされた。
結論として、
1.「正しい」英語とは日本人の幻想で、発音など間違っても構わない。
2.東南アジアの人たちは自国流の英語にプライドさえ持っていて「ネイティブ信仰」がない。また、ネイティブの人たちも言葉は時代とともに変わるものだ、と話していて、非常に寛容的。
3.中国人タレントがでていて、internationalを「イントネーション」と発音して笑いを取っていたが、その方が事実英語に近い。よってなかなか日本人が英語の苦手意識の払拭ができないのは、メンタルに弱気な面があるのと、こうした「素直な」英語の聞き取りが苦手なせいもあるような気がした。
おそらく表記のローマ字に強く引きずられるのとカタカナ英語が多すぎるからか。
しかしこの番組では、ネイティブじゃない国の外人の視点から、そんなジャパニーズ・イングリッシュでさえ、一種の英語の「方言」という捉え方をしていて、非常に面白かった。
長年日本人の英語学習者を「呪縛」していた「正しい英語」の脅迫観念:これはなにをかくそうNHKの英語講座が当然ながらわれわれに強要しがちなものにちがいないが、それを打ち破る貴重な番組だと思う。
英語はますますグローバル化しているのを番組の海外の街頭のインタビューを見ていて、つくづく感じる。
しかし日本にいると英語の必要性ははっきり言って感じない。これじゃはっきり言って鎖国に等しい。
明治日本の人たちはますます嘆いていることだろう。
その点、この「リターンズ」の明日の第二弾も楽しみである。
番組で明石元国連事務総長が話されていたことも印象的だった。
「言葉はコミュニケーションを左右する非常に重要なものだが、忘れてはならないのは、われわれが一人一人、ちがった考えでちがった生き方をしているということ。そして、そのうえで、はじめてなにかお互い同じ共通のものがあるんじゃないか、ということなんです。
言葉によるコミュニケーションは、そのような微妙なバランスの上にたって達成されているのです。」
奥深いお言葉である。つまりは、文化が違うのでわかりあえるのは簡単でない。
しかしわれわれは分かり合おうとする。
なので最初からいきなり成功しようとするのが甘いので、失敗は当然なのだ。
しかし、失敗(間違い)は成功のはじまり
なのである。
ちなみに明石さんが英語を始められたのは、大学に入ったときからとのこと。
いゃぁ、今日からわたしも「しゃべらナイト」!?