アラフォー5年鑑10〜FMCocoloにてtotoを聴く〜「99」反復フレーズの魅力

最近、神戸のFMKissが民事再生法申請で話題になっているが、FM局もローカルな局は経営が苦しいようだ。それ以外に原因があるようだが、ここ最近時おり聴くようになったFMCocoloにはがんばってほしいものだ。
この局は一日中懐かしの70sから80sの音楽を和洋取り混ぜ流している。オバ・フォー(Over 45)のリスナーを対象にしているらしいが、この間日本フォークの創始者高田宏と友部正人の曲を流していたのには驚愕した。
もとはと言えば陶芸教室の先生が教室で流していたので聴くようになった。ずいぶん遅い聴きそめであった。
今日はさっきまでTOTOの特集をやっていた。このアメリカのスタジオミュージシャンが集まって作ったバンドTOTOはデビューがわたしが中学生時代で、セカンドアルバム(名曲99が入っている)をなんと発売前に予約し、雨の降りしきる夕方買いに行った思い出は、忘れかけていたが、つい最近以下の事情で思い出した。。。
なぜか、雨が降るとTOTOの哀切なる99のメロディが浮かんでくる、というのは大袈裟だが、実際、最近アルバイト先が野外なので、外で客待ちでボ〜っとしているとき、このときの雨の降る音と99のメロディが浮かび、暇潰しに密かに歌っていたら、昔、雨の中ひとり、レコードを買いに行った事を思い出した。
TOTOボズ・スキャッグスという泣く子も黙るAORの元祖シンガーのレコーディングのためのバックバンドだった。このスーパースターのバックバンドが単独デビューし、その本家をしのぐビッグバンドに成長するのは、アメリカのポピュラー音楽ではよくある。
リンダ・ロンシュタットのバックだったイーグルス、古くはボブ・ディランのツアーバンドだったザ・バンドがいる。
さて実はついこの間こうしてtotoの曲を歌っているうち、思わず発見したのだが、totoの曲には共通する特徴があるのである。(totoのファンを隠れて自称するアメブロライター、happybeatさん、おわかりでしょうか、、、)
totoといえばデビット・ペイチのキーボードだが、彼が弾くフレーズはすごくシンプルだが強いメロディであり、99を例にとるとサビの部分以外は、表現しづらいが、ひとつのフレーズを延々と繰り返している。
ちょうど間奏の部分でキーボードのソロが出てくるがそのバックのメロディがそれである。
そう思って聴くと(聴かなくてもすべて覚えているので思い出すのだが)あのデビュー曲ホールド・ザ・ラインを見よ。
この曲もみごとな基本フレーズがずっと響き、この場合ダン・ダダダ・ダーンというめちゃくちゃ強烈なフレーズがサビの部分でも歌にからんでくる。
これがtotoの全盛期の曲の特徴であり魅力であり、デビット・ペイチの楽曲のノウハウなのだ。
わかりやすくいえば、totoの前身であったバックバンド時代、デヴィッド・ペイチボズ・スキャッグスのために作った大ヒットナンバーロゥ・ダウンを聴いてみられよ。
この曲のイントロからはじまるシンプルなそれでいてなんとも洗練され都会的なフレーズ〜タータッタ・タッタターラ・タータッタ・ターラが、曲の終わりまで反復されていく。
このアメリカ70年代後半に生まれた名曲は、80年代の代名詞であるAORというジャンルを開拓することになった。いわばその扉をこじ開けたのは、このデヴィッド・ペイチが奏でる口笛のように軽やかだがおしゃれであか抜けどことなくもの悲しくジャズっぽい短いフレーズであった、と言っても過言ではあるまい。
totoは、デビュー当時わたしは中高生のガキだったからよもやそんなことは気付かず、スティーブ・ルカサーの野性的なギターのみがよかったのだったが、今聴くと(思い出すと)やはりデヴィッド・ペイチという人はすごい人であった。
同じタイプの楽曲を初期のビートルズもよく使っていることにも気付いた。
そう、ディ・トリッパーやチケット・トゥ・ライドだ。やはりすべてのポップソングはビートルズの子なのか。
それを意識してかせずか、totoの特集のあとビートルズのチケット・トゥ・ライドをオンエアーしたFMCocoloはエライと言わねばならない。
しかし特集でかけていたがあの吉田美奈子という人はtotoをバックに歌ったりしているんですね〜。ミラー・シティという曲でした。
これから、梅雨にもなる。ぜひ雨の日はTOTOの99、聴いてみてください。(お笑いのナインティ・ナインの命名はこの曲とは関係ないのだろうか。。)