ウルトラマンシリーズ放送開始45周年〜スポーツ報知特別号〜偉大なる「世界」の円谷プロ

テレビの話題が続くが、何十年ぶりかにこのウルトラマンの勇姿を見た。ただし、テレビではなく(そういえば一部あるが)紙面でだ。
職場には、コンビニのレジの前によくあるのと同様のスポーツ新聞ラックがおかれている。そこに先週からひとラックを堂々占めているのが、標記のウルトラマン特集号だ。
早速250円を払い購入する。(予告されていて楽しみにしていたのだ)
ソフトバンクのCMでも、最近ウルトラマンが郵便配達をしているが、もしかすると45周年を意識しているのか?(偶然ならすごいことだ…)
特集号には、たぶん誕生45周年を記念して、少し前から「スポーツ報知」の普通の紙面に毎週連載されていた「光の国を創った人たち」と題されたコラムが、1回目から20回目までまとめて再録されている。
そこには、1966年7月から放映され翌年4月に終了した初代ウルトラマンがいかにして生まれたか、その楽屋裏秘話や苦労話を、当時の科学特捜隊役の俳優陣、円谷プロスタッフやTBS社員らの証言をちりばめられて綴られている。
当時のテレビ特撮の驚くべき(素晴らしくもあり苦労の多い)壮絶な実態を白日のもとにさらけだした非常に貴重かつ興味深い話がたくさん載っている。
わたしは、たとえばウルトラマンスーツを着てアクションをするだけの「スーツアクター」が、シリーズ2作目ウルトラセブンでアマギ隊員を演じた古谷敏だったことは知らなかった。
また、ウルトラマンが3分間しか地球上では戦えず、時間が迫るとカラータイマーが鳴るのは、特撮に莫大な費用がかかり、当初の番組予算内で乗りきるための苦肉の策であったことを、この特集紙で知った。
紙面には、歴代ウルトラマン(に変身するヒーロー)役のインタビューや、トリビアのコラムなど盛りだくさんの豪華な内容で、メインの初代ウルトラマン帰ってきたウルトラマンウルトラマンティガウルトラマンコスモスウルトラQまでもの放映タイトルリストまである。
それを見てわかるのは、代を重ねるにつれ、アイデアが枯渇するらしいところを(たとえば怪獣の名前などなかなか難しかろう)、一タイトルにかなりの数の怪獣を投入し、派手な特撮をメインの番組作りに変化している点だ(ウルトラマンエース以降のシリーズをわたしは見てないので、タイトルからの類推でしかないが…)
初代ウルトラマンウルトラセブンの頃は、予算の制約もあったからか、戦う時間までの人間ドラマ、特にセブンでは文明批評的なテーマの追求があった。
たぶんそれがこれだけ話題になる人気の秘密だったように思われる。
それは、最初に創った人たちのやはり志の高さゆえの成功だったことが、この特集の紙面でよくわかった。

いまやハリウッド映画をよくよく見ると、日本の特撮やアニメの焼直しだと分かることが多い。
スピルバーグ作品やスターウォーズもよく見れば昔テレビで見たはずなのに、さすがハリウッドは違う、なんて感心している…。
これはじつは逆輸入なのだ、起源をみんな忘れ果てている。
それを知り、先人のテレビマンの血と汗の努力を感じるためにも、この特集号を是非手にとっていただきたい。