アラフォー5年鑑9〜吉田拓郎(2)「元気です」

 ちょうど、今頃の季節NHKの懐かしのメロディ系のラジオ番組を聴いていると、きまってオンエアされる曲がタイトルの吉田拓郎の歌「元気です」だ。
数年前に、ラジオでかかっていて気になっていたが、今日もNHKのお昼のFM番組でかかっていた。
この曲は、実は吉田拓郎の大ブームを巻き起こした1972年発表のアルバム『元気です。』の中には入っていない。
後年、アルバムタイトルとしてのみあった「元気です。」を曲名にして1980年にTBSのテレビドラマのテーマ曲として発表されたものだ。主演は、当時ミノルタカメラのCMで水着姿を披露し、一世を風靡した宮崎美子だった。
「元気です」が、なぜいまの季節にオンエアされるかは、名曲だということと「春」を思わせる歌詞にあると思われる。

一番目の歌詞は以下である。

誰もこっちを向いてはくれません
一年目の春 立ち尽くす私
道行く人々は 日々を追いかけ
今日一日でも 確かであれと願う
  わずかにのぞいた 雨上がりの空を見て
  笑顔を作って ”どうですか?”と 問いかける
色んなことがあり 愛さえ見失う
それでも 誰かとふれあえば
 そうだ 元気ですよと 答えよう
 (「元気です」 作詞/作曲 吉田拓郎

しかし、2番目以下は、それぞれ 「二年目の夏」「三度目の秋」「四年目の冬」というふうに移り変わり、いわゆる「春夏秋冬ソング」となっている。
アレンジはエレキギターが使われているが、いわゆる弾き語りベースの拓郎節を彷彿とする曲だが、以降このような明確な節を持った楽曲は、「春を待つ手紙」くらいだったと思われる。
なんだかそれを思うと、「在りし日の歌」というべき、フォークの輝きをフラッシュバックさせる名曲という気がする。

 ちなみに、その曲より8年も前に発表された吉田拓郎のアルバム『元気です。』の中にどんな曲が入っていただろうか?
調べてみると、

1. 春だったね
2. せんこう花火
3. 加川良の手紙
4. 親切
5. 夏休み
6. 馬
7. たどりついたらいつも雨降り
8. 高円寺
9. こっちを向いてくれ
10. まにあうかもしれない
11. リンゴ
12. また会おう
13. 旅の宿
14. 祭りのあと
15. ガラスの言葉
 
というものであった。
のちにベスト版に入っている曲ばかりが、このオリジナルアルバムに入っていて、驚く。ビートルズの初期のアルバムのようにすべてシングルカットできる曲ばかりだ。
このアルバムは、当時16週連続ヒットチャートの1位に居座り、当時吉田拓郎は「フォーク界のプリンス」と呼ばれていたらしい。
下にYouTubeで見つけたライブ映像と歌が全くあっていない(適当な画像がなかったのだろう)「元気です」と、ファンの方が弾き語りしているものを紹介したい。
いかがでしょうか。戦後日本の一時期をしたたかに駆け抜けた元気をうけとっていただきたい。