谷川俊太郎『62のソネット41(空の青さを見つめていると)』引用訂正

8月28日にアップしましたブログ中の谷川俊太郎さんの詩の引用に大幅な間違いがありましたので、お詫びとともに、詩の全文の掲載をいたします。引用は集英社文庫で1993年1月に刊行された「これが私の優しさです 谷川俊太郎詩集(1)」に依っています。
なお同じブログ文中の谷川さんの22歳の時、1953年に刊行された詩集のタイトル『52のソネット』は『62のソネット』の誤りでした。10も少なくなってました…(汗)

62のソネット41(空の青さをみつめていると) 谷川俊太郎




空の青さをみつめていると
私に帰るところがあるような気がする
だが雲を通ってきた明るさは
もはや空へは帰ってゆかない


陽は絶えず豪華に捨てている
夜になっても私達は拾うのに忙しい
人はすべていやしい生まれなので
樹のように豊かに休むことがない



窓があふれたものを切りとっている
私は宇宙以外の部屋を欲しない
そのため私は人と不和になる



在ることは空間や時間を傷つけることだ
そして痛みがむしろ私を責める
私が去ると私の健康が戻ってくるだろう